大判例

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福岡高等裁判所 昭和28年(う)786号・昭28年(う)787号 判決

原判決は判示事実認定の証拠として収税官吏の告発書をあげているが之は本件では犯罪事実認定の証拠とはなりえない。尤も原審が告発書を証拠にあげているのは告発ありし事実を証する資料としているかとも一応考えられるが告発は本件の訴訟条件には相違ないが之を充足している事実は証拠説明の要がないから結局告発を判示犯罪事実認定の証拠としたものと解するの外なし、そうだとすれば原判決は証拠能力なき資料で犯罪事実を認定した違法ありといわねばならない。

(中略)

原判決は主文において差押物件の沒収を言渡しているがその理由の部を見ると単に差押に係る証拠品は何れも之を沒収すると説示しただけで如何なる法令に依拠して沒収したのかを明らかにしていない。原判決は醪の密造と密造焼酎の不法所持を認定しているから酒税法第六〇条第三項又は同法第六二条第二項該当物件として沒収する趣旨かとも考えてみるに目録記載物件中(十三)四斗樽六個(十四)醪二石四斗は前者の法条該当物件で(二十一)水枕入密造焼酎五升は後者の法条該当物件たることは記録上明白であるが爾余の物件殊にリユツクサツクの如き物件が本件犯罪と如何なる関係にあるか必ずしも明白になつていない。若し原判決が刑法第一九条に則り沒収する趣旨であるとすれば同法条該当物件たることを記録上明白にしなければならない。要するに原判決は沒収の点において審理不尽理由不備の違法がある。

(後略)

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